時間感覚と生き方について
時間管理の書籍はあまた出版されていて
私も何冊も読んでいるはずですが
あまり心に残っているものはありませんでした。
それでも、何となく気になって最近手に取ったのが
『YOUR TIME』鈴木祐さん
4063の科学データで導き出したあなたの人生を変える最後の時間術
と副題が付けられています。
魅力的でしょ?
簡単な質問に答えて、自分のタイプを決めるというワークがあります。
容量超過、禁欲家、無気力、浪費家
×
自信家、怖がり、悲観主義、楽天家
4つのタイプの掛け算で、時間に関するタイプ分けをしていきます。
そして、そのタイプから効果的な時間管理の方法が紹介されるというものです。
私は、禁欲家と怖がりでしたが、
このタイプには、todoリストtが効果ありとありました。
確かに、私は時々頭がごちゃごちゃしてくるとtodoリストを作っています。
そして、作っている間にも体が動いて、リストを片づけ始めるくらいの即効性があることも
実感できていました。
この本では、リストを作ることは
「やり残したことを外部に全て吐き出したことで脳が安定する」とあり
そのことで「持てる力をすべて発揮できるようになる」と。
つまり、未完のことがあれこれあり気になっていると
脳が落ち着かないのでパフォーマンスが下がるということなんですね。
これは確かに実感します。
というか、今まではtodoリストが利かない人がいるとは思っていませんでしたので
これは発見です。
そして、とても興味深かったのは、時間の流れに関する感覚のこと。
日本人や西洋の時間の流れは直線である、ということ。
時間は未来に向かって一直線に進むという感覚。
まぁ、これはそうかもしれませんよね。
それに対して、今も狩猟採集社会で生きる民族は(カラハリ砂漠のサン族を例に)
時間は円形で流れるとされていると。
彼らにとって、世界の変化は「一定の周期で繰り返すもの」と体感されていると言います。
時の流れを周期的にとらえるのは、サン族だけのことではなく
又、直線的な時間のとらえ方をするカレンダーのシステムはここ5000年程度ということで
人類史的には「循環する時間」の方が普通だったということです。
時間が直線で流れるというのは、今は今のことだけ、過ぎたことは終わったこと、未来は全く新しいもの
という感覚ですから、何かこう追い立てられるかのような感覚にさいなまれるということでもあります。
時間は周期的に循環していると捉えると、
又こんなことがあった、これがあると次はこんなこともある、というような
良いことも悪いことも繰り返されていく感覚。
過度に不安に思うこともなく、自然の一部である生の営みを信じていける感覚が持てるような気がします。
実際、サン族は「必要な時に必要なものを得られるという絶対的な自信をもち、時間不足に悩むこともない」
そうです。
これを読んで、時間は周期的に循環するというのは、算命学の感覚だなと感じました。
西洋占星術は、確かに目まぐるしく星が動き、同じ配置という感覚が少ないと思います。
算命学では、10年ごとの大運があったり、天中殺という12年に2年のサイクルというのが決まっているので
円形で時間を捉える感覚に近いです。
算命学を体感すると、運気は上がったり下がったりして
今は悪くてもやがて良くなると信じられるし、
又、今が調子よくてもいずれは落ち着くと自分を戒められるものだと思います。
もしかして、運の動きのようなものを確かに「ある」ものと認識することは
人類が長い間持ち続けた生の感覚を持つことに似ているのかも。
直線的な時間の中でいつもあくせくしている人は、何事も自分が成し遂げたような尊大な考えをもちがちなのかもしれないですね。
余談になりますが、
私の以前仲が良かった同級生の中にもいました。
いつも時間に追い立てられるように過ごしていて、旅行に行ってもタイムスケジュールにかじりついていました。
その人は確かに自信家で「おかげ様」の精神が足りない人だったなあ・・
時間間隔と生き方って関連性があるんですね。
良い気付きをいただけた本でした。